人を刺す昆虫に中で最も有名なのが【蜂】。
【蚊】とは違い血を吸うのではなく、目的は相手に毒を注入する事!
その威力は凄まじく
年間の死亡者数は【熊】や【毒蛇】よりも多いんです!
平成28年 | 19人 |
平成29年 | 13人 |
平成30年 | 12人 |
令和元年 | 11人 |
令和2年 | 13人 |
令和3年 | 15人 |
毎年2桁の人が亡くなっている事から【蜂】は最も危険な昆虫と言えるでしょう。

しかも我々の生活圏において身近な存在であり、いつ襲われてもおかしくないのが現実…。
もしも、そんな危険な蜂に刺されてしまったらどうすればいいのか?
今回は【蜂に刺された時の症状と対処法】について解説していきたいと思います。
- 身近にいる危険な蜂
- 蜂に刺されない為の対策
- 蜂に刺されるとどうなるのか?
- もしも刺された時の対処法
人を襲う危険な蜂たち
人間が生活する場所に巣を作るの蜂は、主に以下の3種がいます。
これらの蜂による被害は、年間に数千件にも及ぶんです。
ミツバチ
花の蜜を集め、加工して【ハチミツ】を作る事で有名な蜂。
養蜂所などで飼育され、我々にとっても栄養の高い【ローヤルゼリー】を供給してくれる存在です。
毒針には釣り倍のような『返し』が付いているため、1度刺すと抜くときに内蔵ごと抜けてしまい死んでしまうのが特徴。

まさに、最後の1撃!
1匹のサイズは小さいんですが数が多く、集団で襲われると危険と言えるでしょう。
大きさ | 12mm~15mm |
外見 | 胸に長い軟毛が密生 |
繁殖期 | 4~6月頃 |
危険性 | 巣を攻撃しない限り刺さない |
アシナガバチ
家屋の軒先などに巣を作り最も見かける機会の多い蜂で、中でも被害件数が多いのが【セグロアシナガバチ】。
飛行速度は、ゆっくりでフラフラと飛んでいる姿も特徴的。
性格は穏やかで、こっちから刺激しないかぎり襲って来ないので出会っても落ち着いて対処しましょう。

ただし、繁殖期には警戒心が高くなるので不用意に近づくのは禁物!
巣の規模は小さく中にいる蜂の数も50匹程度なので、自分で巣を駆除する事も不可能ではありません。
大きさ | 20mm~26mm |
外見 | 長い足と細いウエスト |
繁殖期 | 8~9月頃 |
危険性 | 毒が強く激しい痛みが出る |
スズメバチ
世界の中でも、最も大型で獰猛な蜂。
日本全国に生息し、大きな体と羽音で圧倒的な存在感を誇ります。

もしも出会ったら、体が動かなくなりますよ…。
巨大な巣を作り、近づくものには容赦なく攻撃を仕掛けるのが特徴。
毎年のように死者を出すほどの蜂で、その存在を知らない人はいないでしょう。
大きさ | 4cm以上 |
外見 | 濃いオレンジの体に好戦的な顔 |
繁殖期 | 8~9月頃 |
危険性 | 毎年のように死者が出るほど危険 |
蜂に刺されないための対策
確かに危険な蜂ですが、見境なく無差別に攻撃を仕掛けてくる訳ではありません。
自分たちの巣を守るための防衛行動なんです。
むやみに刺激しない
巣に近づいた場合、異常を感じた偵察の蜂が巣から飛び出してきます。
その後、偵察の蜂はアゴを『カチカチ』と鳴らして最終警告!

それ以上近づくと攻撃開始となります。
気付かず巣に近づいてしまうケースが多いため、蜂を発見した場合は動かずに耳を澄ませてみましょう。
もしも『カチカチ』という警告音を出していたら、ゆっくりと後ずさりして離れる事!
やってはいけない事は
- 急に動く
- 手で振り払う
特に蜂は『ヒラヒラ』とした動きに反応するケースが多く、横の動きは禁物となります。
もしも偵察の蜂を刺激してしまうと【攻撃フェロモン】を放出し、それを感じた巣の仲間たちが一斉に飛び出して集団で襲われる事になってしまいます!
服装や臭いに注意
一般的に蜂は、天敵である熊との関係から黒い物に強い攻撃性を示します。
このため、髪の毛がある【頭部】が狙われやすいので注意!
帽子をかぶっていれば頭部は守れますが、なければ手で頭を隠すようにして守りましょう。
私自身、最も気を付けたい場所が
眉毛や瞳のある【目元付近】です!

実際、私の友人は目元付近を刺された事があるんですよね…。
同じ様に手で隠したり、目を細めておくなどの対策をしておきましょう。
それ以外に
甘い匂いに反応する事にも注意!
香水はもちろん、柔軟剤など強すぎる香りは狙われやすくなる可能性が高くなります。
このようなケースは風下へ移動する事でしか対処法が無いので、冷静さを保つことが大事と言えるでしょう。
もしも蜂に刺されたらどうなるのか?
蜂の毒は1種類ではなく、主に
- アミン類
- 低分子ペプチド
- 酵素類
豊富な毒素から【毒のカクテル】と呼ばれるほどで、その効果は様々な影響を与えます。
激しい痛みに襲われる
激しい痛みを引き起こす毒素は
- セロトニン
- ヒスタミン
- キニン
中でも【スズメバチ】はセロトニンの量が多いため、他の蜂に比べて激しい痛みとなります。

その他の症状
神経毒の1種である【低分子ペプチド】の影響で
- 血圧降下
- 平滑筋収縮
- 組織破壊
といった事が起こります。めまいや呼吸困難などの症状が出る事も

なんだか怖そうですが、一体どんな症状がでるんですか?
この結果、患部が腫れあがり【めまい】や【呼吸困難】といった症状がおこるんです。
最も恐ろしいアナフィラキシーショック!
蜂の被害の中で
毎年亡くなる人の大部分が【アナフィラキシーショック】です!
蜂の毒に含まれる成分が多いため、ショック症状が出やすいのが原因と言えるでしょう。

特に重症化するケースは、2回目に刺された時!
人間の体は体内に存在しない【抗原】が侵入すると、今後の対抗策として【抗体】を作り出します。
2度目の侵入時には、体内の抗体が一斉に反応して全身にヒスタミンが放出される事がショックを起こすんです。
刺されてから15分以内に発症し
- 悪寒
- 蕁麻疹
- 呼吸困難
- 意識喪失
最悪のケースとして、死に至る事になるでしょう…。
万が一、蜂に刺された時の対処法
どんなに対策をしていても、相手は昆虫であり刺されてしまう事もあります。
そんな場合でも、落ち着いて対処する事が必要です。
簡単にできる応急処置
ミツバチの毒針には返しが付いているため、刺されると皮膚に毒針が残ってしまうため速やかに抜く必要があります。
なぜなら、根元にある【毒胞】から更に毒液が注入される恐れがあるからです。
その後、患部を摘み毒を搾り出してください。

この際、ドラマの様に口で吸い出すのは間違いです!
口の中は非常に敏感で、傷口や歯茎から毒が侵入する可能性があります!
毒は水溶性なので綺麗な水でしっかり流し、氷で冷やして腫れを抑えるようにして下さい。
後は、【抗ヒスタミン剤】を塗って腫れや痛みを防げばOKです!
- 毒針を抜く
- 患部を摘まんで毒を絞り出す
- 綺麗な水でしっかり洗い流す
- 抗ヒスタミン剤を塗る
万が一アナフィラキシーショックを起こしている場合は
すぐに救急車を呼んでください!!
この時、到着までは安静にして動かしてはいけません。
こんな場合は病院へ行く事
アナフィラキシーショックが確認されなくても、以下の場合は医師の診察を受けて下さい。
- 複数個所を刺された
- 目の付近を刺された
- 蕁麻疹が出ている
- 脈や呼吸が乱れる
- めまいがする
- 吐き気がする
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