日本には存在してはいけない生物であり、日本の生態系を乱す恐れのある特定外来生物に指定されている【アライグマ】。
非常に気性が荒く、いろんな病原体を保有するため
「もし住みつかれたら…。」
「子供やペットが襲われたら…。」
なんて心配をする家庭も多いため、早急に何とか退治したいところ。
しかし、勝手に行う事は出来ず
野生動物を駆除するには【資格】や【許可】が必要なんです!
そこで今回は【アライグマを駆除するために必要な資格と許可】について解説していきたいと思います。
- アライグマを駆除すべき理由
- 駆除に必要な資格と許可
- 無許可で出来る追い出し方
アライグマを駆除しなければならない理由
なぜ、アライグマは【特定外来生物】に指定されているのか?
アライグマは本来、日本には生息していない動物であり様々な被害を与える存在だからです。
主に与える影響は
- 生態系への被害
- 農作物への被害
- 人体への被害
順に解説していきましょう。
在来生物を捕食する
雑食性であるアライグマは、日本に生息する昆虫や小型動物さえも捕食します。
これは自然の食物連鎖の中では仕方のない事なんですが、問題なのは
アライグマを捕食する大型肉食獣が日本にいない事です!
つまり、アライグマは一方的に食べる側であり数が減らないという事。
こうなると、日本生息する在来生物たちはいずれ絶滅してしまう可能性が高いんです!
【ワニガメ】なんかと同じ存在なんですよね…。
農作物や家屋に被害を与える
逃げ回る動物よりも、動かない野菜や果実の方が確実に食べる事が出来ます。
このため
農園や果樹園に侵入し、農作物を荒らす被害も多いんです!
被害にあうのは農家だけでなく酪農家も同じで、家畜のエサとなる【飼料】でさえもアライグマは食べてしまうんですよね。
当然、家庭で飼っている犬や猫が食べる【ペットフード】も同じ事。
また狭い所に住みつきやすい性質があり、家屋の天井裏や床下などに住みついてしまう可能性もあります。
こうなると、排泄物による悪臭や汚染被害を受ける事になるでしょう。
人間への健康被害を与える
野生動物であるアライグマの体には、多くのウイルスや病原菌を保有しています。
中でも恐ろしいのは
- 回虫
- 狂犬病
- ダニ
直接攻撃されるだけでなく、空気感染する可能性もあるため注意が必要です。
ちなみに、私の地元でも
愛犬の散歩中にアライグマに襲われた事件も発生しています!
ペットとして飼われている犬や猫では、戦闘力でアライグマには敵わないんですよ…。

アライグマの駆除方法と必要な資格
そんな危険なアライグマを駆除するためには、どんな方法が有効なのか?
基本的な駆除方法は【罠】を仕掛ける事!
それぞれの効果と方法を解説します。
箱型捕獲器を使った駆除
アライグマは害獣の中では小型~中型のサイズです。
このため、銃による駆除は非効率であり
メインとなるのは【箱罠】と呼ばれるトラップを仕掛けます!
私と同じ昭和生まれには馴染みがあると思いますが【ネズミ捕り】と同じカゴに閉じ込める仕組みです。
主な箱罠は
- 踏板式
- 吊り餌式
踏板式の箱罠
エサに釣られて箱の中に入ったアライグマが、内部に設置された板を踏む事で入り口が閉まる構造。
吊り餌式の箱罠
固形のエサを吊り下げエサを食べたり持ち去ったりすることで、重みが無くなれば入り口が閉まる構造。
いずれの方法にせよ設置にはコツが必要で、アライグマの足跡が多く転倒しにくい平らな場所に設置する必要があります。
そして罠に誘導するため
箱罠の入り口付近にもエサを撒き、警戒心を和らげると効果的です!
ただ、アライグマ以外の動物も罠にかかる問題点もあるのが現実…。
そんな場合は【アライグマ専用の捕獲器】もあります!
アライグマ専用捕獲器を使った駆除
箱罠に侵入する動物はアライグマだけではなく
- リス
- タヌキ
- 野良猫
彼らが罠にかかった場合は駆除する事は出来ず、罠をはずして逃がさなければいけません。
ここで問題なのが、罠にかかったアライグマ以外の動物は
箱罠のエサを食べても、逃がしてもらえる事を学習する事!
つまり、トラップの意味をなさないんですよね…。
そこで登場したのが【アライグマ専用の捕獲器】。
その仕組みは
細い筒の中にエサを仕込み、内部に設置されたトリガーを引く事で入り口が閉まる構造!
基本的に動物は、エサを確認すると臭いを嗅ぐために頭を突っ込みます。
しかし、入り口が細いため鼻は入ってもエサを取ることは出来ません!
ところがアライグマは手先が器用なため、細い筒の中に手を入れてエサをつかみ取る事が出来るんです。
そのまま、奥のトリガーを引いてしまい手首が固定され逃げられなくなるという仕組み。
必要な資格とは
野生動物を捕獲するためには、環境省が発行する【狩猟免許】が必要となります。
細かく分けると猟法によって必要な免許が異なり、以下の4種に分類。
- 第一種銃猟
- 第二種銃猟
- わな猟
- 網猟
トラップを設置するための必要なのは【わな猟】の資格を取る必要があります。(試験代5,200円・3年ごとに更新費2,900円)
法令や猟具の知識など専門知識が問われる事になり、独学では少し難易度が高いかもしれません。
そんな場合、猟友会では予備講習会を定期的に開催していますので参加してみるのもいいでしょう。
試験に対する傾向と対策も分かりますからね。
狩猟免許について詳しく知りたい方は環境省ホームページをご覧ください。
アライグマの駆除に必要な許可
狩猟免許を取得しても、行政からの許可をとらなければ駆除は行えません。
その方法と注意点を解説します。
有害鳥獣に対する狩猟許可
野生動物は【鳥獣保護法】によって守られていますが
農作物や生態系などに被害を与え、捕獲する以外に被害を防止できない時は、例外として捕獲する事が出来ます。
しかし各自治体からの許可が必要で、勝手に行う事は【外来生物法違反】となり3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられます。
狩猟許可の申請手順
お住いの自治体によって細かな違いがありますが、一般的に必要な物は
- 狩猟免許の有無
- 害獣の種類
- 被害の場所・状況
- その地区の代表者
以上の項目を自治体に提出し、申請が通るまでは1~2週間ほどかかります。
申請が通れば【許可証】が発行され、駆除を行う際は許可証を携帯しておく事。
また、被害が深刻な自治体では狩猟免許が無くても許可が降りるケースもあります。
その場合は環境省が開催する【捕獲従事者講習】を受ける必要があります。
アライグマを追い出すだけなら簡単
ぶっちゃけ、許可や資格を取るのには時間がかかってしまうのが現実…。
しかし、追い出すだけなら許可も免許も必要ありません!
燻煙剤で追い出す
もしも、アライグマに住みつかれてしまった場合に効果的な方法。
本来は害虫対策用のアイテムですが
煙に驚いてアライグマが逃げ出す効果も証明されているんです!
特にアライグマは床下や天井裏などの空間を好むため、煙や霧などが充満しやすく即効性が高いのがポイントと言えるでしょう。
さらに、アライグマに寄生している害虫もまとめて駆除できる事もメリット。
ただし、繁殖してアライグマの子供がいる場合は注意が必要!
母親だけが逃げ出してしまうと、残された子供は屋内で死んでしまう事になります。
こうなると違法になるだけでなく、衛生的な二次被害が起こる事になってしまうんですよね。
住みつかれている可能性があるなら、鳴き声などで子供がいないかを確認しておきましょう。
臭いで追い出す
アライグマが嫌がる臭いには
- 木酢液
- 唐辛子のような激辛臭
- ハッカのようなメントール
中でも【木酢液】は、木炭を焼いた時に出る蒸気や煙を冷やしたものであり、この臭いを嗅いだアライグマは山火事を連想して逃げて行くんです。
臭いに慣れさせない為には、激辛臭など他の臭いをローテーションで使うと効果的と言えます。
超音波で追い出す
実は、人と動物では聞き取れる音の範囲(可聴域)が違うんです。
このため、人間には聞き取れない高音を機械で発生させる事でアライグマを追い出す方法もあります。
具体的には
23kHz~40kHzの音波を発生させます。
超音波の出る方向や距離には制限がありますが、臭いなどは発生しないため使いやすいと言えるでしょう。
しかし、他の動物にも聞こえてしまうためペットのいる家庭ではストレスを与えてしまう事になってしまいます。
侵入経路を封鎖
せっかく追い出せても、再び侵入されては意味がありません。
このため、アライグマが侵入できそうな場所はしっかりと封鎖しておく必要があります。
アライグマは10cm程度の隙間でも通る事が可能ですので、家屋に隙間が無いかを徹底的にチェックしておきましょう。
特に侵入しやすい場所は
- 床下通気口
- 屋根のつなぎ目
手先が器用で力も強いため、金網などの素材をしっかりと固定する事が大事です。
また、畑などに被害があるならフェンスだけでなく電流柵の設置も検討しましょう。

アライグマの駆除はプロに依頼すれば確実
野生のアライグマを放置すると被害が甚大であり、早急に駆除が必要なんです。
しかし駆除には資格や許可が必要であり、時間や費用がかかってしまうのも事実…。
そんな時は、プロに依頼する事が早くて確実です!
専門業者となると、捕獲はもちろん
- 個体の処分
- 侵入経路の封鎖
- 清掃・消毒
自分が面倒な事をする必要は一切ありません!
中でも
【害獣110番】は、全国展開でスピード対応できるためオススメです!
アライグマの被害に悩んでいる方は、一度相談してみてはいかがでしょうか?


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