昆虫界トップクラスの飛行能力を持ち、一撃必殺の毒針と強靭な大顎。個々の戦闘力が高い上に、集団で襲いかかるためまさに最強の昆虫と呼べる存在であるスズメバチ。しかし、そんな彼らでも負ける相手は存在します。
スズメバチに宿る寄生虫
スズメバチよりも体の小さい寄生虫。中でも4種は一方的にやられる事になります。
スズメバチタマセンチュウ
北海道で発見された寄生虫。キイロ、オオ、チャイロの3種に寄生が確認されています。その恐るべき能力は冬眠中の女王蜂に寄生して卵巣機能を破壊して卵を産めなくする事。こうなると巣を繁栄させる事自体ができなくなり、女王蜂だけでは簡単に駆除されてしまう事でしょう。特に被害の多い2種に有効な事から、人工的に寄生させて個体数を管理する研究が進められています。
スズメバチネジレバネ
ウジのような体をした寄生虫。樹液で待ち構え、食べにきたコガタスズメバチによく寄生するのが特徴。その恐るべき能力は、宿主を長生きさせるためコントロールして働かなくさせる事。こうなると巣の機能が低下し、存続していく事が難しくなってしまうんです。一般的にスズメバチは、女王蜂以外は冬眠できませんが、ネジレバネに寄生された働き蜂は一緒に冬を越す事になります。寄生したメスは一生体内で過ごしお腹から頭部を出した状態で見つかる事が多いんです。
カギバラバチ
10ミリほどの小さな寄生蜂。お腹がくびれてお尻の先が鍵のように曲がっている事からこの名前がつきました。その恐るべき能力は、スズメバチの巣に潜む幼虫たちを食べ尽くす事。その方法は、アオムシが好む葉に卵を産み食べたアオムシに寄生、襲いに来たスズメバチがアオムシを肉団子にして巣に持ち帰る、食べた幼虫を内側から食い破り内部の幼虫を食べ尽くす、2回寄生する必要があり成功率は低い、
ギンモンシマメイガ
美しい模様を持つ2cmほどの小さな蛾。成虫は米などの穀物を食べますが、天敵となるのは幼虫です。その恐るべき能力はスズメバチの巣を食べてボロボロにする事。まず、巣の外皮に卵を産み付ける、孵化した幼虫は巣の内部に潜り込み内側から巣盤を食べてボロボロにする、こうなると拡大させることができない、駆除された巣から幼虫が発見されるケースも多い、
スズメバチに勝てる昆虫
同じ昆虫界でも天敵は存在します。しかしこのクラスでは勝ったり負けたりの関係で、いわばライバル的な存在と言えるでしょう。
オニヤンマ
9〜11cmほどの大型トンボ、蜂と同じく黄色と黒の縞模様、肉食で他の昆虫を襲う、飛行能力は昆虫界でトップに君臨、最高時速は80km、後ろからスズメバチに追いつきトゲの付いた足で動きを封じる、強靭な顎でバリバリと捕食、虫除けにストラップになる程、
シオヤアブ
ハエの仲間であるアブの一種、体長は2〜3cm、見た目も蜂っぽい、アブの中でも最も獰猛と言われる、自分より大きなスズメバチを襲う事もある、葉の上などに潜み待ち伏せる狩、近くを通った昆虫を背後から襲う、食べるのではなく押さえ込んで太い口器を差し込んで体液を吸う、
オオカマキリ
昆虫界最強の捕食者、体長は7~10cmの大型サイズ、2つの大きな鎌でスズメバチの体を押さえつける、捕えるスピードと精度も高い、捕えてしまえば逃げる事は不可能、ただし空中戦ができないので逆に空から攻撃されることも、
他のスズメバチ
オオスズメバチは秋ごろのエサが少なくなってくると他のスズメバチの巣を襲い幼虫やサナギを捕食する、チャイロスズメバチは初期段階の巣に乗り込み女王蜂を殺して乗っ取る、
スズメバチを捕食する鳥類
モズ
スズメよりも一回りほど大きな鳥、昆虫にとっては恐ろしい敵、捉えた獲物を木の枝などの尖った場所に串刺しにする習性、はやにえと呼ばれる、保管しておく場合もあるが食べずに放置する場合もある、巣を襲うような事はない、単独行動をしているスズメバチが捕食される
ハチクマ
鷹の一種であるクマタカに似た姿、蜂を好んで食べるからこの名前、硬い羽毛て覆われていて毒針や顎を通さない、毒が効かない、スズメバチが戦意喪失する臭いを出すなど説もあり、土中のオオスズメバチの巣でも掘り返して捕食、その場で捕食するだけでなく巣ごと持ち去りヒナのエサに、若い鳥は退散する事も、
スズメバチを力と知恵でねじ伏せる哺乳類
熊
大型哺乳類である熊は雑食性でなんでも食べる、幼虫やサナギだけでなく蜂の巣でさえ食べる、栄養価が高く冬眠前にベスト、分厚い皮膚と固い毛に覆われていて毒針を通さない、スズメバチが黒い物を攻撃するのは熊が関係している、目や鼻などを集中攻撃されない限り巣ごと持ち去ってしまう、
人間
最大の天敵が人間、薬剤や道具には勝てない、特に駆除専門業者となると一方的、
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